住まい、仕事、交通、そして地域コミュニティ。移住のための大きな準備が見えてきたところで、最後に確認すべきは、日々の暮らしに不可欠な「ライフライン」と、移住に伴う「行政手続き」です。
これらは地味な作業に思えるかもしれませんが、手続きの漏れや確認不足は、新生活のスタートで思わぬつまずきを生む原因になります。移住当日になって「ネットが繋がらない!」「電気がつかない!」と慌てないよう、チェックリストを作るなどして、計画的に進めていきましょう。
これまでの節でも触れましたが、生活の土台となるインフラは、契約前に必ず最終確認が必要です。
インターネット環境:リモートワーカーの生命線
移住先の物件で、本当に快適なインターネット(できれば光回線)が利用できるか、契約前に通信事業者の公式サイトや電話で「住所」を伝えて必ず確認しましょう。特に山間部などではエリア外の可能性も。また、回線の開通工事は申し込みから1ヶ月以上先になることも珍しくありません。入居日が決まったら、できるだけ早く申し込むのが鉄則です。
電気・ガス・水道:手続きは早めに行動を
電気、ガス、水道は、引越しの1~2週間前までには利用開始の手続きを済ませておきましょう。
電気:電話やインターネットで申し込みが可能です。
ガス:田舎では料金が割高なプロパンガスが主流です。利用開始には必ず立ち会いが必要になるため、引越し当日にガス会社の担当者に来てもらうなど、早めに予約を入れましょう。
水道:自治体の水道局(課)に連絡します。下水道が未整備の地域では、浄化槽の管理会社との契約も必要になる場合があります。
住民票の移動などに伴い、役所での手続きは多岐にわたります。移住前と移住後にやるべきことをリストアップしておくことで、抜け漏れを防ぎましょう。
【移住前】現住所の役所で行う手続き
手続きの種類 いつまでに 必要なもの(主なもの) 備考
転出届の提出 引っ越し日の14日前から 本人確認書類、印鑑 「転出証明書」が発行されます。
マイナンバーカードの住所変更 転出届と同時 マイナンバーカード
国民健康保険の資格喪失 引っ越し日の14日前から 保険証、本人確認書類 会社員(社会保険)の場合は不要。
印鑑登録の廃止 転出届と同時 登録している印鑑、印鑑登録証
【移住後】新住所の役所で行う手続き
手続きの種類 いつまでに 必要なもの(主なもの) 備考
転入届の提出 引っ越し後14日以内 転出証明書、本人確認書類、印鑑 世帯全員分のマイナンバーカードも持参。
マイナンバーカードの住所変更 転入届と同時 マイナンバーカード 暗証番号の入力が必要です。
国民健康保険の加入 引っ越し後14日以内 本人確認書類 会社員(社会保険)の場合は不要。
児童手当・医療費助成など なるべく早く 課税証明書、健康保険証、通帳など 子育て世帯は忘れずに!
印鑑登録 必要な時 登録したい印鑑、本人確認書類
【その他】役所以外で必要な手続き
運転免許証の住所変更:新住所を管轄する警察署や運転免許センターで。
郵便物の転送届:郵便局の窓口やインターネットで手続き(1年間有効)。
自動車関連の変更:車検証の住所変更(運輸支局)、車庫証明の取得(警察署)など。
金融機関・クレジットカード・保険などの住所変更:各社への連絡を忘れずに。
一見すると複雑で面倒に感じるかもしれませんが、一つひとつ着実にこなしていくことが、心に余裕のある新生活のスタートに繋がります。
さて、これで移住に向けた具体的な「準備」が整いました。しかし、どんなに準備を万全にしても、予期せぬ出来事は起こるもの。最後の章では、そうした困難を乗り越え、田舎暮らしを心から楽しむための「心構え」についてお伝えします。